映え探しは昔から

町田

町田市立国際版画美術館で開催中の「#映える風景を探して〜古代ローマから世紀末パリまで」展を見学してきました。

#がついていますが、「ばえる」じゃなくて「はえる」と読むようです。

展示は撮影OK。

そしてWebへの掲載もOKとのことで、載せさせていただいています。

ヨーロッパでは1500年頃から、人物や神様の背景に過ぎなかった「風景」が、絵画のメインテーマになり始めたそうです。

それでも最初のうちは、小さくても神様や聖者がどこかしらに描かれているのが面白いですね。

それがやがて、特定の名前や要素を持たない人物が描かれているものになり、風景だけのものも現れてくる。

さらには地図に遺跡の案内図を寄せ集めて描いたものなど、抽象度が高まってくるのも興味深いです。

古代ローマの遺跡やその地ならではの建築物、さらには荒々しい自然まで、文字通り「絵になる風景」、絵として描きたくなる風景を求めて旅をする人たちも増えたとか。

それに熱狂する人を風刺する風刺画も描かれ、絵になる題材が一層広がっていったことがうかがえます。

風景をより「映え」させるため、色付き鏡を持ち歩く旅人もいたとか。
その鏡に写した風景を見て、その雰囲気を楽しんだのだそうです。

19世紀に写真が広まると、「唯一の複製技術」の地位を失った版画ですが、工夫を凝らした表現を追求する、腐食銅版画家協会が設立されました。

写真は写真で、視差を利用して立体的にみられるステレオ・ビュアーが1860年頃には出てきていたということで、平面から立体視への試みはこんなに早くから行われていたのかとびっくりしました。

撮影OKとはいえ実物を見ていただくのが一番なので、残り期間わずかですがお時間ある方はぜひ、いらしてみてください。

土日は無料送迎バスが出ているとのことです。

▶︎町田市立国際版画美術館へのアクセス

ちなみに次の企画展は、日本の風景画、「浮世絵風景画~広重・清親・巴水 三世代の眼」とのことです。

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