繰り返すからこそ学んでおきたい〜歴史のイベント『南北朝フェス』

歴史

みなさんは「南北朝時代」と聞いて、
どんなイメージを持ちますか?

まったくピンとこない方も
いるかもしれません。

後醍醐天皇や足利尊氏、
楠木正成、といった名前が
思い浮かんだ方も
いるかもしれません。

もしかしたら、覚えなきゃいけない年号が
増えてうんざりした、という方も?

宝塚が好きな方だと、『桜嵐記おうらんき』という、
楠木正成の息子・楠木正行まさつら
主人公とする舞台でその一端に触れた、
ということもあるかもしれません。

大河ドラマになる割合を
見ればわかるように、
日本史で人気があるのはもっぱら、
戦国時代や幕末。

これは時代が大きく変わる
時期に当たっていて、
さまざまな人間ドラマが
展開されているからなんですね。

実は南北朝時代も、
そんな大きな時代の変わり目の
1つでした。

鎌倉幕府打倒で結びついた
後醍醐天皇と足利尊氏が、
やがてたもとを分かち、
尊氏側が立てた天皇を擁する北朝と、
奈良の吉野に逃れた後醍醐天皇に
従う南朝とに分かれることから、
南北朝時代と呼ばれます。

しかしこの時代の特徴は、
それだけにとどまりません。

そもそも、鎌倉幕府が
あっさり滅んだ理由は
謎だという説があります。

その鎌倉幕府成立時の状況を
描いているのが、
今放送中の大河ドラマ

『鎌倉殿の13人』

ですが、鎌倉に頼朝の政権が
できたこと自体、
本来は強いつながりのあった
後白河法皇と平清盛の関係が
決裂したのが理由の一つ。

これは先ほど書いた、
後醍醐天皇と足利尊氏の関係にも
通じるものがあります。

また、兄弟である頼朝と義経の関係が
こじれてしまったように、
共に立ち上がった尊氏と、
その弟の直義ただよしも袂を分かち、
直義が南朝と結びついていく、
という展開も起こります。

一方で、将軍が形骸化していた
鎌倉幕府の権力者であった北条氏、
その遺児である北条時行ときゆき

中先代なかせんだいの乱」

を起こしたというのは、
教科書の記載でぼんやり覚えている方も
いるかもしれません。

その時行を主人公とするマンガが現在、
週刊少年ジャンプで連載されているのを
ご存知でしょうか?

その名も『逃げ上手の若君』。

作者は、『魔人探偵脳噛ネウロ』
『暗殺教室』で知られる松井優征さん。

マイナーな人物を、
こんなに有名なマンガ家がなぜ?
と思われるかもしれませんが、
この時行、幕府滅亡時は
今の年齢で7、8歳、
乱を起こしたときでさえ
10歳かどうかというところ。

幼くして歴史の大きな渦に巻き込まれ、
波乱の人生を送った、
という意味では大いに、
主人公たるところ。

中先代の乱では一時的に
鎌倉を取り戻すものの、
短期に制圧されてしまいます。

最近の研究によると、
どうもそれは大仏殿が倒壊するほどの
大型台風によって大きな被害を
受けたからではないか、とも。

時行はそれでも生き延びて、
驚くべきことに後醍醐天皇と和解し、
南朝方として戦っていました。

そう聴くと、時行の人生の波乱万丈ぶりが
より伝わるのではないでしょうか。

自分など、教科書で1、2行でしか
紹介されない「中先代の乱」の記事しか
知らなかったため、
そこであっさり亡くなって
いたのだろうと思っていました。

そのため、最近この事実を知って
驚愕しました。

……と、ここまでで書いても実は、
南北朝時代については
ほとんど触れていないに
等しいのです。

それほど奥が深く、
噛めば噛むほど味が出てくるのが
南北朝時代。

そんな南北朝時代について詳しい方は
多くはないと思うのですが、
この時代が好きで好きでたまらず、
勉強会や交流会を開いている人たちがいます。

その名も「南北朝時代を楽しむ会」。

その「楽しむ会」が、
南北町時代の魅力を伝えるために、
2週にわたって大きなイベントを
開催することになりました。

名づけて、「南北朝フェス in 鎌倉」。

今回、そのイベントのポスター・チラシ、
さらに会場配布用の印刷物を
作成させていただきました。

 

ポスター・チラシのイラストは、
イラストレーターの雨月星一さん作。
こちらを生かしながら、
必要な情報を伝えるものに
仕上げていきました。

ちなみに今週末、6月19日(日)に行われる、
DAY1はオンラインでの開催。

メインプログラムは、
九州の中世政治史研究者、
新名一仁さんによる講座で、
テーマは

「今川了俊vs征西将軍府vs島津
──勝者は誰か?」

ここですでに???となる方も
いるかもしれません。

今川了俊りょうしゅん貞世さだよ)は、南朝勢力が
優勢だった九州に、
その平定のため幕府から派遣された人物。
あの今川義元の先祖、
今川範氏の弟にあたります。

征西将軍とは、後醍醐天皇の
皇子・懷良親王のこと。
後醍醐天皇の皇子は武将として
各地で活躍しますが、
なぜ皇族にこんなことが可能だったのか、
と個人的には不思議に思っています。

そして島津は、言わずと知れた
あの薩摩の島津氏ですね。

南北朝時代、と聞いて、
九州のイメージが浮かぶ人は
少ないと思いますが、
つまりは全国的な動乱期だったことを
知ることができる、
貴重なお話になると思います。

お申し込みはこちらです。
https://peatix.com/event/3234940

リアルタイム参加は正直、
少々お値段が張りますが、
オンラインとはいえ専門家のお話を直に聞き、
直接疑問をぶつけることもできる
数少ない機会になると思います。

とはいえやはり金額が……という方や、
時間の都合が合わない、という方には、
後日の動画データ送付というプランもあるので、
こちらも検討してみてはいかがでしょうか。

すっかり長くなってしまったので、
来週、6月25日(土)開催の
DAY2についてはまた改めて。

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